第23回 御木本メソッドアカデミー認定講師と研修生のためのセミナー

2021年9月5日 (日)、第23回御木本メソッドアカデミー認定講師と研修生のためのセミナーを Zoom で開催しました。

司会進行の恩田明香特別講師

今回は事前にアンケートを取り、寄せられた回答を元に内容を組み立てました。研修生、講師それぞれの立場から寄せられた多数の質問や意見の中から、今回は「トレーニングボードのLポッチの貼り付けについて」と「ピアノレッスンへのトレーニングの取り入れ方について」の2つを主軸に対話参加形式のセミナーを企画しました。

前半は特別講師によるパネルディスカッションです。

山本光世特別講師。横内 M の距離が3種類あると便利です。

山本光世特別講師は、初めて来た生徒に L ポッチを貼る手順について解説しました。手のアーチが作れない、親指が凹む、手首が硬くなってしまうなど、さまざまな癖を持つ初心者の生徒に合わせて L ポッチの位置を決めることは意外と難しいものです。貼り付ける前に、ストレッチや脱力を促す体操をして手と心の緊張をほぐします。その後、手の理想形を想定して貼ります。先生の手をお手本にして形を真似させたり、7個目の L ポッチの位置は手のタイプや進度に合わせて使い分けられるように置く場所を決めるなど、無理なくトレーニングができるような貼り方を説明しました。

本村久子特別講師。腕の重みを自覚させるために錘を持たせます。

本村久子特別講師は、腕の重みを使って弾くための指導について説明しました。子どもでも大人でも、まずは自分自身の腕の重さを実感させることが大切です。腰を入れる感覚を養い姿勢を整えるストレッチや、床に膝立ちをしながらピアノの前に座り、腕を肩から真っ直ぐに伸ばして落下する感覚と指とのつながりを実感させる方法を実演しながら解説しました。また、演奏中に緊張して姿勢が崩れたり筋肉が硬くなっても、常にニュートラルな位置に戻るため、どこに原因があるかを見抜いて導くこと、体の中心で支えていることを理解させる必要性を力説しました。

御木本メソッド エクササイズ集より

腕の重さを受け止めるためには指の支えが不可欠です。恩田明香特別講師は、手の構造の個性により、高校生以上になっても関節の支えが作りにくい柔らかすぎる手の生徒へのアプローチ方法について話しました。特に親指のマムシ指を持つ生徒たちの実例を紹介しながら、親指の基本的なトレーニングについて解剖図と併せて説明しました。また、エクササイズ集のイラストと「1指の指先は2指の指先とほぼ同じ位置にくるようにする。」の一文に込められた真理について、御木本先生からご指摘をいただいた時のエピソードを交えて解説しました。

佐藤美香特別講師。おもりの紐にもこだわりがあります。

佐藤美香特別講師は、音色に直結するトレーニングの取り入れ方についてお話しました。上腕を使って弾くために、ピアノを弾くときより低い椅子に座って重心を下げてトレーニングを行ったり、曲の求める表情に応じておもりの紐の長さや厚み、強度を変えて欲しい音色に近づける工夫をしているとのこと。どんな音で弾きたいかをイメージして、トレーニングを曲にふさわしい音色へつなげる工夫が必要です。御木本先生はトレーニングを指導する時、目を閉じて生徒の手を触っていました。それは生徒の内部で使われている筋肉を神経を研ぎ澄ませて感じようとしていたのではないか、ひとつのトレーニングを徹底的に行うことで生徒自身が感覚のセンサーを磨き、本当に脱力できている状態を知ることが求められているのではないか、と話しました。

後半はグループディスカッションです。ブレイクアウトルームに分かれて意見交換し、各ルームごとに発表し情報共有しました。講師、研修生、特別講師を交えた少人数の対話により、それぞれのルームで有意義な意見交換ができた様子が伺えました。

最後に、御木本先生のスライドショーを鑑賞しました。これまでのセミナーの様子や御木本先生の美しく凛としたお姿、鍛え抜かれた手指が映し出され、御木本先生との様々な想い出が蘇りました。皆様にとっても、御木本先生に思いを馳せるひとときとなったのではないでしょうか。

新型コロナの影響で対面セミナーができず、メンバー間での交流を持ちにくい状況が続いていましたが、今回のように対話参加型のセミナーが実現できたことで、セミナーの新たな可能性を感じました。今回のセミナーが、思索のヒントや皆様の交流の機会になったなら幸いです。

参加者の皆様。今日一番の笑顔です。

新学期のお忙しい中、ご参加いただきありがとうございました!

“第23回 御木本メソッドアカデミー認定講師と研修生のためのセミナー” への7件の返信

  1. 本日のセミナー、ありがとうございました。
    参加型の内容で、先生方からのアイディアや考え方を教えていただき、今回も得ることの多い2時間でした!
    グループディスカッションもとても楽しかったです。
    質問も取り上げて頂き、ありがとうございました

    前半のパネルディスカッションでは、トレーニングのコツをはじめ、レッスンで起こりうる(遭遇する)状況に合わせた対応策や解決案など、特別講師の先生方のご指導案(指導のテクニック)を教えていただきました。
    先生方からのお話は大変参考になったと同時に、「根本的な目的を見失わないこと」というトレーニング指導における大切さを改めて意識するきっかけとなりました。

    後半のグループディスカッションでは、レッスンでのトレーニングの取り入れ方について、先生方それぞれのアイディアや考え方を教えていただき、また、どの先生もおっしゃっている「共通の事項(トレーニングで「基本」と考えること)」を学ばせていただきました。

    御木本メソッドのセミナーでは、具体的な実践例に加え、さらに、その指導法に至るまでのプロセスや考え方も教えてくださるので、指導者として大切なことを毎回学ばせていただいております。

  2. 昨日はありがとうございました。昨日のセミナーでの少人数での意見交換は、他の先生方の実践されていること、経験等を細く聞かせて頂けてとても勉強になりました。また、その後にグループ毎に発表する時間も設けて頂いていたため自分のグループ以外の先生方のお話も聞くことができとても有り難かったです。

  3. 昨日のセミナーでは大変お世話になりました。
    前半は、特別講師の先生方のお話を聞く、後半はグループセッションということで、しっかり学ぶ時間と、それを他の方と共有する時間が持てたことは私にとってとても勉強となりました。
    自分の意見を言うことで改めて自分自身を振り返る機会となりましたし、私よりも指導年数が多い先生方ばかりなので沢山のアイデアをいただくことができました。
    同じテーマで他のグループの先生方とも直接お話してみたいとも思いました。
    また次回もよろしくお願いいたします。

  4. 今回のセミナーも盛りだくさんの内容で、あっという間でした。
    大変ありがとうございました。

    日頃、どのように対応したらいいかと思うような議題ばかりで、とても勉強になりました。

    生徒さんに実感させる事と原因を見極め伝える事が大切だと再認識しました。トレーニングの組み立て方もその子に合ったアプローチの仕方を見付けないといけないなと痛感しました。

    いろいろなアイディア、グッズも早速試してみたいと思います。
    皆さんとディスカッションも、直接話し合いが出来て良かったです。

    最後に御木本先生のスライドショー、ありがとうございました。
    生前のお姿を拝見し、セミナーでの事など思い出されました。先生に教えていただいたことを胸に刻み今後も精進して参りたいと思います。

  5. 講師も研修生も、教えるにあたり既に色々と考えて工夫をしていることだろう。それを発信して貰い共有する場を作ろう、という案から今回はグループディスカッションを行いました。発表からは参加された方達のレッスンでの視点を伺え、努力を感じました。
    セミナーが皆様の一助になれますと幸いです。

  6. 特別講師の先生方のお話だけでなく、後半のブレイクアウトルームやその後の質疑応答タイムでも諸先生方のレッスンでのアイディアなど色々と話したり聞かせていただけて有意義な時間を過ごすことができました。
    まだ生徒も経験も少なく実践する機会がなかなかありませんが、たくさんのことを吸収して今後生かしていけるように頑張ります!
    よろしくお願い致します。

  7. 先生方がトレーニングをレッスンの中でどう生かしているのか、大変参考になりました。
    グッズについても取り入れたいアイテムを共有していただけて有り難かったです。
    特に後半のグループディスカッションはとても良かったです。ふだんはあまり話すことがない先生方と交流ができ、レッスンの実体験がお聞きできたので大変有意義な時間でした。
    ありがとうございました。

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