第19回 御木本メソッドアカデミー認定講師希望者のためのセミナー

2019年12月27日、 加賀町ホールで第19回御木本メソッドアカデミー認定講師希望者のためのセミナーが開催されました。今回は「御木本メソッドレッスンでの脱力」というテーマで、 山本光世特別講師が登壇しました。

脱力は、ピアノ演奏者およびピアノ指導者にとって、大きな課題のひとつです。今回は、指導者の立場として「どう脱力させるのか、どのように教えるか」という視点から、「脱力とはどういうことか、なぜ脱力が必要なのか」についての解説と、御木本メソッドの様々なトレーニングでの脱力指導の仕方や脱力のチェック方法を、参加者体験型で行いました。

脱力とは=必要な力を使い、不必要な力は使わない。これが御木本メソッドの基本理念です。脱力ができると指の独立性が高まり、トレーニングによる学習で反射的に正しい命令が出せるようになると、結果的に良く響く音になります。

手首を脱力しながら小指をひろげるトレーニング。頭にお手玉を乗せることで、トレーニング中に姿勢が崩れないよう意識できます。

御木本先生がレッスンの中で、「固定しようとする関節のひとつ手前の関節が固まりやすい」とおっしゃっていたエピソードを紹介していました。この点を意識してトレーニングすると、不必要な力を脱力する感覚が掴みやすいと思いました。

「結局、押して弾いてしまうのは指の支えがないから」という言葉に強く共感しました。「年代を問わず、指に正しい命令を送り集中させることによって脱力ができるようになります。」「幼少期から毎週のレッスンの中で少しずつトレーニングを取り入れ、手指や腕の適切な使い方を指導し続けると、すぐにはできなくても、ある時、必ず理解できるようになります。」という山本特別講師の豊富な指導経験から発せられる力強いメッセージに胸を打たれました。

指導者役を体験しています。 打鍵直後、指の付け根に無駄な力が入っていないか、指を持ち上げて調べます。

限られた時間内でのピアノレッスンで、小さな子どもたちでも出来る効果的なトレーニングの取り入れ方を紹介し、ピアノ指導者にとってヒントになるアイデアが沢山詰まった2時間でした。

トレーニングが浸透しておらず、神経の分離ができていない人の場合、不必要な動きが多くなり、指に意識が届きにくくなります。あらためて、地道にトレーニングを重ねて、条件反射で正しい命令が出せるように学習し続ける必要性を再認識しました。

お茶会で盛り上がった後で。みなさん良い笑顔です!

年の瀬のお忙しい中、ご参加いただきありがとうございました!