2023年9月9日 (土)、第29回 御木本メソッドアカデミー認定講師と研修生のためのセミナーを 開催しました。今回はピアニストの菅野 潤先生をお招きして、御木本先生とゆかりの深い加賀町ホールにて、三年振りの対面セミナーが実現しました。
菅野先生は、パリと日本を行き来され、演奏会やコンクールの審査、講習会で世界中を飛び回っていらっしゃいます。
「音楽と音、その奥深いつながりをもとめてー御木本澄子先生の思い出とともにー」と題し、菅野先生にお話と公開レッスンをしていただきました。
お話は、ピアニストの佐藤美香特別講師との対談形式で進められ、御木本先生との数々の想い出を語ってくださいました。御木本先生の一番おそばで、一番長く過ごされた菅野先生ならではのお話は大変興味深く、当時の御木本先生のお姿が目に浮かぶようでした。
続いて公開レッスンです。曲はベートーヴェン ピアノソナタ17番「テンペスト」と、ドビュッシー前奏曲集 第2巻-第12曲「花火」です。
菅野先生の音は、柔らかく変幻自在で豊潤な響きを持ち、音楽はどこまでも優雅で美しく、力強い表現でも決して荒ぶることがありません。気品溢れる菅野先生の音と熱のこもった指導によって受講生の音がみるみる変わっていく様子は、まるで魔法にかけられたかのようでした。
より魅力的で奥深い表現のために、ペダリングや指使いのアイデア、タッチの方法など、懇切丁寧にご指導くださいました。指に余計な力を入れないこと、手のひらの感覚、5mmタッチや上腕からのタッチなど、隅々まで神経を通わせる御木本メソッドのトレーニングが、洗練されたテクニックの土台となっていることに深い感銘を受けました。
質疑応答では参加者の奥深い質問に対し、ひとつひとつ誠実にお答えくださいました。
セミナー後のお茶会では、菅野先生を囲んで楽しいひとときを過ごしました。
菅野先生の宝物のようなお言葉の数々と、素晴らしいレッスンに触れ、加賀町ホールのピアノで菅野先生の音を聴かせていただいたことは贅沢の極みであり、御木本メソッドの真髄に触れる貴重な学びの場となりました。菅野先生には心より御礼申し上げます。また、参加者の皆様と幸せな時間を共有できたことを大変嬉しく思っております。
お忙しいところ足をお運びいただき、本当にありがとうございました。