第24回 御木本メソッドアカデミー認定講師と研修生のためのセミナー

2021年12月27日 (月)、第24回御木本メソッドアカデミー認定講師と研修生のためのセミナーを Zoom で開催しました。

司会進行の恩田明香 特別講師

今回は、御木本メソッドの膨大なトレーニングの中から、特に重要と考える『トレーニング10選』について、グループディスカッションを中心にセミナーを開催しました。事前にアンケートを実施し、各自が選りすぐったトレーニングを実名で公開、トレーニング10選と選択した理由を3〜4人ずつのブレイクアウトルームに分かれて画面共有などを用いながら話し合いました。

前半は『トレーニング10選』について、後半はメンバーを変えて10個のトレーニングを選んだ感想や、発表を聞いて印象に残ったことについて、自由に意見交換しました。

グループ発表では、それぞれが選んだトレーニングについての良い意見が聞けた他、大切なポイントが見えてきました。その中の一部をご紹介します。

  • 手の特徴や、生徒を教えた経験の有無、御木本メソッドを学び始めた年齢やトレーニング歴によって、トレーニングの選択や捉え方が違うと感じた。
  • Lこすりは基礎的なトレーニングか応用編としてのそれか、人によって判断が異なる。
  • 御木本メソッドのキーポイント的なこととして、親指のトレーニングは大事である。動き方や癖の改善には時間がかかるが、演奏も大きく変わると思う。
  • 上腕の伸屈をどう使うか、どう載せるかが出来ないと最終的には音楽にならない。身体との関りについて意識を向ける。

他にも、年齢に応じたトレーニングの工夫や、御木本メソッドといつ出会うのが良いかなど、深い話し合いに発展した様子が伺えました。

後半のグループディスカッションで特に話題となったのは、耳の重要性でした。『御木本メソッドはテクニックをつけるものではあるが、耳が変わらないと演奏は良くならない。エクササイズ集を弾く時でも聴く感覚を大切にしたい。』『トレーニングと演奏が結びついた動作を記憶させ、音が変わることを意識することが大切』『子どもへのトレーニング導入でも、缶たたきやLこすりで音が立つので、指と音がどうつながるかについて指導しないといけない』という風に、トレーニングと耳の関係がピアノ上達と御木本メソッドへの正しい理解に大きく影響することを、みなさん強く感じていたようでした。各グループで奥深いテーマに発展し、話題は尽きない様子で2回のグループディスカッションは終了しました。

指導において優先度の高いもの、道具を使わず手軽に取り入れやすいもの、自分自身の課題克服のため等、様々な観点から選びぬかれたトレーニング10選でしたが、みなさんの回答一覧と、参加者用に配布したトレーニング名別にまとめた資料を、今後のレッスンや演奏に役立てていただけると幸いです。

まとめとして、御木本先生の曲げこすりの動画をご覧いただきました。御木本先生の肉声と、先生ご自身の手の映像から、指のスピードと腱の状態は密接に関係していることや、腱のストレッチがいかに重要であるかを学び直しました。

御木本先生の左手。
2-3指の腱間結合がくっきり見えます。

ただし、手のタイプによっては曲げこすりがとても難しいことがあります。一例として、手首の高さを調整して指が動きやすくなるように工夫する方法を紹介しました。また、苦手なトレーニングを継続しつつも演奏時には正攻法にこだわらず、負担の少なく理想の音が出しやすい弾き方を探す柔軟さが必要だということも再認識しました。

チンアナゴの親子のぬいぐるみ。
手首の高さ調整に重宝しています。

トレーニングを10個に絞るのは大変難しい作業だったと思います。人の手は千差万別で、何が必要なトレーニングかは手や脳のタイプによって異なりますし、取り組む曲や生徒の年齢、レベル、何を目指しているかなど、対象によっても選択肢や優先度が変わります。だからこそ、それぞれの経験や視点から見た「御木本メソッド」の捉え方や指導法を共有することで、より一層、見える世界が広がっていくと考えています。今後もセミナーが有意義な学びとメンバー間の交流の場として、安心して相談したり意見交換ができる空間になればと願っています。

みなさんの素敵な笑顔で締めくくりました。

2時間にわたる集中したセミナー、大変お疲れ様でした。年末のご多忙な折に、予定を調整してご参加くださいましたこと、心よりお礼申し上げます。

来年も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

受講者の感想(一部抜粋)

ディスカッションがメインの今回のセミナーでは、いつも以上に集中して、頭をフル回転させた2時間でした...!! 講師・特別講師の先生方の前で自分の意見を発表することを通して、御木本メソッドのトレーニングについて、自分自身で整理されていない点や考えが追いついていない点が明確に見え、強い刺激を受けました。また、各トレーニングに対する先生方それぞれのコメントも、大変勉強になります。
ブレイクアウトルームやその前後のトークでは、他の先生方の意見や普段のレッスンの様子、ご自身の経験などをお聞きすることができとても有意義な時間を過ごすことができました。
人によって様々である事や、自分と同じ意見の方、それぞれ本当に勉強になりました。また、今までお話をした事の無かった先生方ともお話し出来て、本当に嬉しく思いました。
特別講師の方のアンケート回答も拝見することができ、勉強になりました。個人名別とトレーニング名別の資料を同時に拝読でき、とても参考になりました。
自分自身の整理はもとより、いろんな視点からのご意見を伺え、大変勉強になりました。
その人の特徴をとらえ、必要なものを見極めることが大切だと痛感しました。出来ない場合は違うものに置き換えるという点も、新しい発見でした。
トレーニング10選なんて、いったいどのように絞り込めばいいのか、どうしましょうと、最初は思いました。でも、自分と向き合う機会となり、改めて御木本メソッドのトレーニングの奥深さに気付く機会となりました。
これからもさらに自分自身と向き合いつつ指導力を深めたいと考えております。
自分の見落としていた点にも気づくことができ、有意義な時間を過ごさせていただきました。今回の学びをレッスンにも活かせるように努めて参ります。
今回のセミナー、こちらも参加型だったのでかなり緊張感持って参加できました。それぞれのブレイクアウトルームで全く違う話し合いがなされて、最後の発表もとても興味深かったです。

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